民間保険の役割
民間保険の必要性 我々人間は、ごく普通の日常生活を送るうえでも、いろいろな危険にさらされることがあります。 交通事故や頭上から物が落ちてくるなど、本人が注意をしていても避けられない事故も少なくありません。 このように本人の注意不注意にかかわらず、いつ、何が起こることがわからないことを一般的に「リスクがある」と言います。 我々人間が、普通の生活を送るだけでも、そこには様々なリスクがあります。 では、そのリスクとどのように向き合い、どのように備えればよいのでしょうか。 いつ、何が起きるかわからないのがリスクで ...
定年後再雇用と基本給
名古屋自動車学校事件最高裁判決 定年退職後における基本給等の引き下げについて争われた「名古屋自動車学校事件」の最高裁判決が、令和5年7月20日に出されました。 結論としては、審理の差戻しを命じることになりましたので、差戻し審の判決が出るまで同裁判を実務にどのように生かせるか不明確な部分はあります。 ただし、最高裁で指摘された事項は、現状でも実務に十分活用できる考え方であると思われます。 なお本稿では、基本給に絞って話を進めたいと思います。 事件の概要 紙面の都合もあり本当の大枠だけに留めますが、原告は自動 ...
中小企業等のM&Aと労務DD
中小企業等を取り巻く喫緊の課題 中小企業庁の調べでは、2025年までに70歳を超える中小企業及び小規模事業者(以下「中小企業等」)の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万社が後継者未定となっています。 この127万社という数字は、日本全体の企業数の1/3に当たります。 これをそのまま放置すると、中小企業等の廃業の急増により、2025年までの累計で、約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる可能性があるとしています。 これらの課題解決の一つとして、第三者への事業承継(本稿では「M&A」としま ...
文理解釈先行の事前確定届出給与
損金算入役員賞与の要件 法人の役員賞与を損金算入できるようにするには、事前確定届出をしておく必要があります。 事前確定届出についての法律の規定には、「その役員の職務」「所定の時期」「確定した額の金銭」との文言があり、「政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をしていること」と定められています。 政令と省令に要件委託 政令には、株主総会での決議が必要なこと、届出期限は職務の執行の開始の日から1月を経過する日であること、届出の書類は省令で規定するものに拠ることと規定されています ...
年末調整や確定申告に電子交付の控除証明書等を使おう!
世の流れは紙から電子へ 電子帳簿保存法の完全義務化は、2年間の猶予期間を経て、令和6年1月1日から本格的にスタートします。 令和5年10月1日のインボイス制度開始と併せ、耳障りなほどTVコマーシャルで喧伝され、皆さんにもお馴染みのワードとなっています。 世の流れは紙から電子へと変わってきています。 所得税の控除書類も流れは電子的交付へ 所得税の確定申告や年末調整で、保険料控除や寄附金控除などの適用を受ける場合には、従来、保険会社又は寄附金の受領者等(以下「保険会社等」)から書面により交付を受けた控除証明書 ...
別表四 社外流出の「その他」
「賞与」の欄の消滅 法人税申告書別表四の右上の欄は、利益処分で社外流出となる事項について記載する場所です。 そこには「配当」「その他」の2区分が用意されています。 2区分になったのは、平成18年からで、平成17年以前は、3区分でした。 平成17年以前は、利益処分による役員賞与の実務慣行が定着していましたが、会社法で役員賞与を役員報酬と共に職務遂行の対価として整理し、利益処分賞与規定自体を無くし、法人税法で事前確定届出給与の制度を整備したことに伴い、別表四から、「賞与」の欄が消滅しました。 「その他」の欄の ...
多様な働き方と安全配慮
コロナ後の多様な働き方 コロナ禍を経てテレワークやテレワークと出社を組み合わせたハイブリッド勤務など、時間や場所にとらわれない新しい働き方が浸透してきています。 一方、労働法では使用者に「労働者の生命・身体及び健康を危険から保護するように配慮すべき」という安全配慮義務が課せられています。 このような広がりを見せる新しい多様な働き方に対して、労働契約法や労働安全衛生法等が「企業に求める従業員に対する安全配慮」とどのように向き合うか、今後企業にとって重要な課題になると思われます。 厚生労働省の「テレワークの適 ...
改めて介護保険制度とは
問題の背景と介護保険制度 人手不足が深刻化する中、さらなる追い打ちをかけるように、従業員の介護による離職が増えています。 我が国における核家族化・少子化・高齢化等の問題はまだしばらく続きます。 介護保険制度は、介護を担う家族の負担軽減と社会全体で支え合う仕組みとして、1997年に成立し、2000年に施行されたものです。 従業員の介護による離職を少しでも減らせるように、企業も介護保険制度を理解する必要性が増しています。 介護保険法第1条の目的から、「介護」とは、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等に ...
お葬式と税金
故人をしのぶ儀式と税金 お葬式は亡くなった方へのお別れやお見送りの儀式です。 お通夜や告別式の流れ、宗教宗派によって変わる作法、ご挨拶の言葉など、日常生活とは異なるマナーが多く、少々苦手という方も多いのではないでしょうか。 また、残されたご遺族には相続税等、税金周りの手続きが必要になる場合もあります。 お葬式と税の関係を確認してみましょう。 相続税を計算するとき 相続税を計算するときは、負担した葬式費用を遺産総額から差し引けます。 例えば、 お葬式や葬送に際し、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用 ご ...
難しい「パワハラ」への処分
なぜ「パワハラ」の処分決定が難しいのか パワハラには大きく分けて2つの類型が考えられます。 1つは純粋ないじめ目的などの悪質なもの。 もう1つが通常の業務等に付随して(少なくとも行為をする本人は)部下のためを思って行った熱心な指導が行き過ぎた行為になってしまった場合です。 前者については、就業規則等における懲戒処分によって厳格な処分が行われるべきでしょう。 一方、後者の場合には、安易に懲戒処分を行うことにより、その後その上司など行為者が、会社への貢献意欲を喪失したり、自暴自棄となり前者の行為に走ってしまっ ...









